コーディネーターの活動報告・夏休み編
みなさん、こんにちは!コーディネーターの山岡です。
今回は、夏の間にコーディネーターが関わった高校生の活動をご紹介します!
まず最初は、なんとウミガメについての研究です!釜石高校では各ゼミに別れてテーマ別の探究活動を行なっていますが、その中の理数科ゼミで動物の生態テーマを研究している班が、7月〜8月にかけて大槌にある東京大学大気海洋研究所に赴いて、「バイオロギング」という研究手法を学ぶ実習に参加しました。「バイオロギング」とは、ウミガメなどにロガーと呼ばれる発信機やカメラを取り付けて動物を観察し、そのデータを用いて動物の生態を分析する研究手法です。5回の実習では、第一線で活躍されている研究者の方から、直接の研究方法を教えていただきました。生徒たちは、実際にウミガメの甲羅を測定し、ウミガメにロガーをつけて、専門のソフトを使ってデータを解析する、という一連の研究の流れを学びました。
実習に参加した生徒は鵜住居や大槌出身でしたが、身近な海にウミガメが生息していて、さらに近所に本格的な研究所があることを初めて理解したようで、研究手法について学ぶとともに、「何もない」と思いがちな地元の魅力に気づく機会にもなっているようでした。
今後は生徒主体の研究に移りますが、夏休みで学んだことを生かして、ウミガメなどの移動履歴を分析したいと考えているようでした。
続きまして、釜石高校生と外国人との交流プログラムについてです!
7月29日に『1日体験留学』と称して、釜石高校で国際交流プログラムを開催しました。今回のプログラムでは、釜石や近隣市町村に住む外国出身の方に学校へ来ていただき、自国の文化や言語を紹介してもらいました。アメリカ・オランダ・ベラルーシ・オーストラリア・中国出身の5カ国7名の講師と、29名の1年生が参加しました。
「留学」と題したように、海外へ出国するイメージをつけてもらおうと思い、パスポート形式の用紙に各講師からサインをもらうことをミッションとしました。最初はサインをもらうだけで恥ずかしそうにしていた生徒たちが、最後のフリートークでは、「日本に来て一番驚いたことは?」「あなたの国の観光名所は?」と講師の方々に積極的に話しかけるなど、とても賑やかな雰囲気となりました。
外国人の人口が増加傾向である釜石市ですが、高校生を含め、市民が外国人と交流する機会は、決して多くないように思います。これからもこのようなプログラムを企画して、自分たちの地域に住む外国人に目を向けるきっかけを作り、少しでも海外に興味をもつ生徒が増えてくれればと思うところです。
最後に『かまいし絆会議』に参加したゼミ生の発表をご紹介します!
『かまいし絆会議』とは、毎年夏に開催されている地元の小中学校、高校、住民が参加して地域課題について考える会議のことです。今回(8月5日)は、釜石高校から人文国際ゼミの3班が出席して、自分達の研究テーマを地域の大人たちに向けて発表しました。
動物愛護について研究している班は、ペット先進国であるスイスの先行事例を参考にして、日本における動物愛護の現状と動物の命を守る方法について考えました。アンケート等に取り組んで、どうすれば日本での状況が改善されるかを探究していくそうです。
遠野出身の生徒たちは、遠野の魅力を世界に向けて発信するため、英語版の遠野観光マップを作成しました。実際7月にそのマップを用いてアメリカ人の高校生をガイドする機会があったので、その時の様子を発表してくれました。
また地方にある本屋の不況について探究している班は、打開策として「釜高生おすすめコーナー」を作れば売上に貢献できるのではないかと考えていて、後期から実行するそうです。
生徒たちの研究はまだまだこれから改良なども必要な部分もありますが、参加した方からは前向きな意見をいただくことができました。これからも学校から飛び出して、地域課題にチャレンジしてほしいですね。
以上、『バイオロギング実習』、『1日体験留学』、『かまいし絆会議』をご紹介しました。
今年も釜石はとても暑い夏でしたが、生徒たちの学びも良い意味で「熱い」夏だったのではないでしょうか。私(山岡)としては、今後もコーディネーターとして、また釜石コンパスの一員として、高校生たちに地元にいる「熱い」大人たちを紹介していきたいと思います!