Kamaishiコンパスからのお知らせ

INFORMATION

kamaishiコンパス事務局初年度を終えて。

どうも。釜石コンパス事務局の八木橋朋広と言います。
最近冷えてきて、日によっては氷点下になる日が増えてきましたね。
たまに埼玉にいる家族と連絡をとると「え、釜石そんなに寒いの!?」と驚かれることがあります。今年の2月から埼玉より釜石に拠点を移し、すでに年末を迎えていると思うと寂しいような嬉しいようなごちゃ混ぜな気持ちが湧き上がってきます。10ヶ月ほど釜石コンパス事務局として活動を続けてきたなかで、様々な高校生や大人たちと関わる機会がありました。その中で感じていることなどを少し、年の瀬の振り返りとして書いてみたいと思います。

オンライン化のきざし
今年度は新型コロナウイルスの影響が釜石コンパスにも及びました。具体的には、釜石コンパスの中止や対話セッション(高校生が大人の話を聞き、交流する時間)のオンライン化です。学外の講師の方への参加が難しくなる中、可能な範囲でオンライン講座が行われました。高校生からは「海外の人と繋がれることは視野が広がる」など好意的な意見がみられる中、オンライン環境の整備への指摘もあったことから今後も試行錯誤をしながらの実施が続きそうです。
新しい試みをするというのはどのようなことでも心躍る出来事であるように思います。僕たち大人と呼ばれる人々が、自ら新しい領域への挑戦を手放してしまっては、高校生やそれに続く子どもたちが僕らに背中を預けてくれるということも難しいんじゃないでしょうか。
大人たちは「挑戦しよう!」「主体的に学ぼう!」などなど、様々な期待の眼差しを子ども(と呼ばれる人)たちに向けますが、その言葉や振る舞いは鏡のように大人側に突きつけられているものであるという認識は、いつだって僕たちのすぐそばにあるべきなのではないかと思います。

高校生が言葉を紡ぐことを目指して
そのほかには釜石高校での釜石コンパスにて、高校生が受講するプログラムの一部である「全体セッション」の自己内省や講師への目標宣言のワークを追加できたことも印象深く残っています。ぼく自身、釜石コンパスではプログラム企画チームに所属しており(各メンバーがそれぞれ得意な領域から役割分担をしています)、高校生とゲスト講師の交流の時間をより充実したものにしていきたいと考えていました。
というのも、講師の話を聞いたとき「あの人はすごいなあ」という感想だけではなく、自分の血肉となるように、自分の生活に適したカタチへと変換することが重要であるように思えたからです。
そのため、自分たちの言葉で(話すことができる範囲で)講師の人たちに向けて「関心のあるもの」や「今後に向けて」を語ってもらう時間を設けてみました。
この講師に向けて語る時間では様々なシーンが見られましたが、周りの友人たちとおしゃべりをしていた高校生が、講師と2人の時間(語る時間)になると、少し緊張した面持ちで話し始めるという場面も見られました。講師の皆さんがとても真剣に高校生に、一対一で向き合ってくれていたからこそ生まれた時間なのかもしれません。このことが高校生にとって意味があることか、判断はできません。ただ、少しでも高校生にとって、自分を見つめられる時間として機能してくれればいいな、とは願っています。

kamaishiコンパスは高校生の「キャリア構築支援事業」と、釜石市では位置付けられています。キャリアという言葉はそのもとを辿ると轍(わだち)を意味するのだそうです。雪道を車が走った直後にできる、あの山みたいなやつです。キャリアについて考えるという事は、自分の後ろ側をみた時に立ち上がってくる(まるで轍のように)ものなのではないのかなぁ、なんて考えていたりします。もし、それが正しいのであれば(誰もが)自分自身を見つめることが、自らのキャリアを意識することにつながるのではないかとも思えてきます。

そんなこんなで長くなってしまいましたが、今年は私を含め、コロナウイルス の影響などをきっかけに、様々な取り組みがなされた期間だったのではないかと思います。これらの試行錯誤はまだ、まだ続きそうです。

文責:八木橋朋広(kamaishiコンパス事務局・教育魅力化コーディネーター)